調停期日における注意点

離婚調停においては、基本的には調停委員(男性1名、女性1名であることが多いです)が間に入って話を聞いてくださるため、相手と顔を合わせることはありません。待合室も別々に設けられているため、裁判所に出入りする時やお手洗い等に行くために待合室を出る時さえ気を付ければ、基本的には、相手と顔を合わせずに済みます。

DVが問題となっている事案等では、待合室を別の棟に設定してもらえたり、裁判所への出入りの時間をずらす等の配慮をしてもらえたりすることもあります。配慮を希望される場合には、事前に裁判所に確認しておかれることをお勧めします。

調停では、15分から30分程度調停委員に話をして、相手と交代することが多いです。ここで、重要なのは、調停は、じっくりと調停委員に話を聞いてもらう場所ではないということです。特に離婚の調停においては、離婚に至るまでに夫婦間で様々なトラブルが発生していることが多いため、これを全て調停委員に話そうとすると、とても時間が足りません。また、夫婦間のトラブル全てについて問題にしようとすると、争点が多くなりすぎてしまい、限られた期間内での解決を目指す調停では、紛争の解決が困難になってしまう恐れもあります。調停委員は、両当事者を平等に扱わなければならないことから、一方当事者の話だけをじっくり聞くことはできません。

そこで、調停においては、離婚との関係でもっとも重要な事実(具体的には、離婚を決意させたトラブルや一番傷ついた相手の言動、相手の子供に対する対応の中で最も問題だと思われるもの等)を新しい順に、多くても5つ程度に絞って主張することが有益であると言えます。特に、トラブルの内容や相手の言動等を裏付ける客観的な証拠(写真や録音データ等。親権が争点になっている場合には、育児日記等があると有益です。)があるものについては、主張しておくことをお勧めします。さらに、主張する事実を予め書面にまとめ、証拠と共に裁判所に提出しておけば、調停委員が事前に問題点を把握することが可能となり、調停での話し合いがスムーズに進む可能性があります。調停申し立て前に当事者間で話し合いを重ねてきているのであれば、書面にその経過も記載しておくと良いと思います。なお、書面を提出する場合には、事前に裁判所に対し、書式等について確認しておく必要があります。

調停期日は、1カ月に1回程度の間隔で、大体3回から5回程度開かれ、全く成立の可能性がないと判断されると不成立で終了することが多いです。そのため、調停での紛争解決を目指す場合には、相手の動きを見てから主張を出すのではなく、基本的には、第1回目の期日から、実質的な話し合いができるよう、主張やそれを裏付ける証拠を提出しておく必要があります。

調停は、訴訟とは異なり、あくまで話し合いをすることが基本です。そのため、調停で紛争を解決するにあたっては、互いに譲歩しあう必要が出てきます。争点が絞られてきた段階で、一度、「どこまでなら譲歩できるか」について考えておく必要があります。特に、相手の考えが変わりやすいなどの事情がある場合には、その期日内での成立に向けた話し合いが始まり、その場で判断を求められることがあります。それまでの相手の主張を踏まえ、譲れる部分について検討しておくことが必要です。

調停当日は、必ず、メモと筆記用具を持参しましょう。調停委員から聞き取った相手の主張や、調停委員が特に時間をかけて聞き取りをしてきた事実についてメモをとっておくと、その後の主張立証において役に立つ可能性があります。また、次回期日までに資料の提出等を指示されることも多くあります。期限までに提出できなければ、次回期日で十分な話し合いが出来なくなってしまう可能性もあるため、提出し忘れが無いよう、提出期限も含めて、必ずメモを取りましょう。

調停当日の服装等について、迷われる方もいらっしゃるようですが、普通の普段着で大丈夫です。必ずしも、スーツを着なければならないものでもありません。

調停は、弁護士に依頼せず、ご自身で対応することも十分可能な手続きです。しかし、弁護士に依頼すると、書面の作成や必要な資料の収集を弁護士に依頼出来たり(ただし、資料の収集については、資料の性質上、ご自身で集めていただかなければならないものもございます)、期日当日には弁護士に隣で助言してもらえるなどのメリットも多くあります。

当事者間で話し合いを重ねているがうまくいかず、調停の申立てを考えている方、調停申し立てにあたって弁護士に依頼するか迷っている方は、お気軽に当事務所にご相談ください。事案によっては、早期に弁護士に依頼することが早期解決に繋がるものもございますので、お話をお聞きした上で、弁護士に依頼するべき事案か否かについてアドバイス致します。

また、既に調停中の場合でも、途中から弁護士に依頼すべきか迷っている方は、お気軽ににご相談ください。その際は、調停中に作成したメモ等があれば、より、事案に沿ったアドバイスが可能になりますので、是非お持ちください。

   

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