今まで連れ添った夫婦が中年~高齢に差し掛かった際に離婚をした場合、熟年離婚となります。
現在は熟年離婚を選ぶケースも多くなっていますが、離婚には必ず金銭的な問題も関わってきます。
今回は熟年離婚により生じるお金について解説しましょう。

熟年離婚とは?その特徴は?

熟年離婚とは、お互いが熟年層になった時に離婚することです。
子どもに手がかからなくなったことや、離婚して残りの時間は楽しく過ごしたいと思う気持ちなどから決心する人もいるようです。
熟年離婚をした場合、今までのような生活が送れるとは限りません。
何歳であっても離婚となった場合、婚姻期間中の夫婦の共有財産を分与しなければならないのですが、熟年となると婚姻期間が長いため、分与する財産も多く高額になりやすいでしょう。
不動産や保険、退職金や預貯金などがあり、適正な財産としての価値を見極めて判断しなければならないため時間も必要となってきます。
また、財産分与で平等に分けられても、今後仕事をしなければ生活が苦しくなる場合もあります。
そのため熟年離婚を行う際には、多くのお金が関わってくるということ、またどれだけのお金が受け取れるのかを確認しておきましょう。

熟年離婚で関連するお金は?

熟年離婚により関連するお金は、おおまかに分類すると慰謝料と財産分与になります。
それぞれの特徴や内容をご紹介します。

財産分与

婚姻期間中に共同で築き上げた財産を夫婦共有財産といいます。
離婚の際に分割することを財産分与といい、基本的には折半となります。
しかし、お互いに合意した場合は分割の割合を変えることも可能です。
熟年離婚の場合は婚姻期間が長期的であるため、夫婦共有財産も多くなりやすく財産分与対象の範囲も広くなりがちです。
また、経営者や役員、医師など高額所得者との熟年離婚の場合、夫婦共有財産が多くなり、財産分与の際にトラブルとなるケースも少なくありません。

退職金

配偶者が勤務する会社を退職する場合、退職金も財産分与の対象となります。
しかし、退職前の状態では退職金は確実に受け取れる財産ではなくなり、退職まで10年以上のある場合は財産分与の対象とならないケースもあります。
退職が近い場合や既に支払われている場合は、原則50%が財産分与として受け取れます。
勤続年数の間にどれくらいの婚姻期間があったかによって財産分与の金額が変わるだけでなく、請求時に退職金が残っていなければ分割請求も難しくなります。

年金

熟年離婚時には、年金分割制度により年金も財産分与の対象になります。
婚姻期間に掛けていた年金を調整して受け取ることであり、熟年離婚の際には年金分割の手続きが必要となります。
対象となるのは厚生年金と共済年金です。
基礎年金部分は分割されることなく、サラリーマンなら厚生年金部分、公務員なら共済年金部分が分割の対象ということです。
平等に半額ということはなく、婚姻期間だけが分割の対象となります。
また、分割した年金は、通常の受給年齢に達しない限り受け取ることはできません。

慰謝料

熟年離婚の際には、財産分与以外に慰謝料の請求も可能です。
慰謝料は離婚となった理由が大きく関係していき、ある程度の違法性がなければ請求もできないということです。
慰謝料が認められるのは不倫や浮気、モラハラやDV、悪意の遺棄やセックスレスなどがあります。

借金

熟年離婚で関係してくるのは財産分与によって財産を分けられるだけでなく、借金も平等に分けることがあります。
例えば住宅を持っていた場合、査定額が1000万円だったとします。
しかし、住宅ローンの支払いが200万円残っていた場合、ローンを支払った後の800万円が評価額となり、財産分与の対象となります。
さらに様々な借り入れがあり、金額が200万円あったとします。
この場合も財産から引かれていき、残った金額が分与されます。
もし、借入などの借金で財産がマイナスになった場合、厳密には財産分与とはなりませんが、公平に負担するように調整することが多いでしょう。
ただし、ギャンブルなどで一方が借金を作った場合、原因となった方が負担する傾向があります。

熟年離婚の理由としては、一緒にいる時間が増えたことでストレスや精神的な苦痛が増えたこと、価値観の違いや性格の不一致が多くなったことなどがあります。
また、介護による離婚もあり、それぞれの夫婦の関係性で離婚の理由も様々となっています。
長年一緒にいた配偶者との離婚は考えることも多く、離婚後に生活の不安を抱えてしまうケースも少なくありません。
熟年離婚に関して悩みや不安を抱えている場合は、離婚に特化する弁護士に相談してみましょう。
第三者の介入により客観的な意見や話し合いが可能であり、財産分与でも明確な内容を知ることができます。
熟年離婚の場合はそれぞれの家庭ごとに財産分与額や内容も異なるため、平等な判断をしてほしい、客観的な意見を聞きたいという場合に弁護士への依頼をおすすめします。
離婚後の不安解消のためにも弁護士への相談が役立つでしょう。

   

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